サーバーの移転ってしたことはありますか?
今使っているサーバーから別のサーバーへと鞍替えする作業の事です。
物理的にどうにかなるものではなくネット環境を使わなければならないので、初心者にはこの作業をするだけでも大変なんですよ。
最近僕も今まで使っていたレンタルサーバーに不満を感じて、エックスサーバーに乗り換えようと思っていましたが、一連の作業を覚えて理解するだけでも沢山の時間と労力をつぎ込みました。
とにかく積極的に行動して覚えようとする努力家であればいいのですが、記事を書く時間をこんなことに消費したくないですよね。
そんなめんどくさがり屋のために、結構簡単にサーバーの引っ越しをするための方法を見つけましたので紹介します。


サーバーの引っ越しはなぜ難しい?初心者がハマる勘違い
サーバーの引っ越しは初心者が考えているよりも単純なものではありません。
100倍難しいです。
僕もはじめの頃は旧サーバーにあるファイル一式を新サーバーにコピペすればいいだけと単純に考えていました。
要するにファイルを選択してコピー&ペーストをするだけの作業という勘違いです。
サイトのデータをコピペするだけでしょ♪

こう考えた結果、移転の手順を調べていくうちに思った以上に難怪で、自分の考えが浅はかだったのを思い知らされました。
サーバーの移転が難しい理由とは?
サーバーの引っ越しが難しい理由は以下の事が原因です。
サーバー移行が難しい理由
- ワードプレスを使っている
- レンタルサーバーはセキュリティーがしっかりしている
- 引っ越しに必要なソフトがわかりにくい
- プログラムを一部変更する必要あり(PHPファイル)
- データベースの存在
これを見ただけでもギブアップ!と思ってしまいませんか?
僕は思いました。
これだけでもやる気が削がれてきます。
少なくとも僕はやる気が無くなって、しばらく放置していた経験があります。
今では当たり前のように使っているワードプレスはCMSという技術で利用しているので、この辺が敷居を上げている原因のひとつとも言えるでしょう。
- FTPソフトを使ってデータをダウンロードしたり、データベースからエクスポートしたりと初心者にはとても高い壁。
- PHPファイルを変更したり、データを旧サーバーから新サーバーに移転
これらの作業をショートカットする方法をするための裏技を今回紹介します。

データの移行作業はプラグインを使って時間を大幅にカット
ここで紹介している方法を使えば、初心者でも簡単にサーバーの移転を行うことが出来るようになります。
しかも必要なのはここで紹介しているプラグインだけでFTPソフトやワードパット(高機能のメモ帳のようなもの)を使うこと無く、特別な環境も必要ありません!

でも、手順を踏んで作業をしないとわからなくなるから気をつけてね。

プラグインを使ってサーバーをお引越し
サーバーの引っ越しで使うプラグインは以下の2つです。
必要なプラグイン
- All-in-One WP Migration
- All-in-One WP Migration File Extension
(拡張プラグイン)
サーバー引っ越しに使うプラグインがAll-in-One WP Migrationで、後者のFile Extensionはこれ単体では意味がなく、All-in-One WP Migrationと同時に使用することによって効果が発揮する拡張プラグインです。(どういった効果があるのかは後ほど解説)
どちらも無料で使うことができます。
All-in-One-WP-Migrationダウンロードページ
サーバー移転の手順と解説を紹介
それでは実際にブログを旧サーバーから新サーバーへと移転してみましょう。
サーバーのお引越しをする流れは以下のようになります。
サーバー移転フローチャート
- 旧サーバーにAll-in-One WP Migrationをインストール&有効化
- 旧サーバーのファイルとデータベース一式をエクスポート
- 新サーバーでドメイン設定をする
- データベースの作成
- ワードプレスをインストール
- All-in-One WP MigrationとAll-in-One WP Migration File Extensionをインストール&有効化
- バックアップしたファイルをワードプレスにインポート
- 動作確認
- ドメインネームサーバー(DNS)を変更


旧サーバーでやる内容は青マーカー、新サーバーでやる内容は赤マーカーで区分けしています。
マーカーの引かれてない項目はその他の部類です。
動作確認は必ずやる必要はありませんが、移行したサーバーが問題なく動作しているか確認するためにも忘れずにやっておきましょう。
最後にDNSを変更することでサーバーの引っ越しが完了です。
旧サーバーでやることはデータのバックアップ
まず最初に旧サーバーに保存されているデータ一式をバックアッブします。
ここでバックアップを実行しても、サーバーに保存されているデータが消えるということはありませんので、安心してください。
旧サーバーでやるべきことは、以下の2つです。
- プラグインのインストール&有効化
- データをPCにバックアップ
実際に引越に例えると、引越し業者を手配(プラグインの導入)して、旧居の荷物を荷積み(バックアップ)するところです。
All-in-One WP Migrationをインストール&有効化
まずはじめにAll-in-One WP Migrationプラグインのインストールです。
このプラグインを使って現在お使いになっているワードプレスの設定や画像、記事などのデータ全てをパソコンにダウンロードします。
以下のリンクからプラグインをダウンロードできます。
All-in-One-WP-Migrationダウンロードページ
他にもワードプレスのプラグイン画面から『All-in-One WP Migration』と入力すると対象のプラグインをインストールすることも可能です。
旧サーバーのファイルとデータベース一式をエクスポート
旧サーバーにあるワードプレスのファイルとデータベース一式をエクスポートします。
プラグインを有効化するとサイドメニューに『All-in-One WP Migration』という項目が表示されていると思います。
エクスポートを選んでください。
エクスポートを選択したら下のような画面に切り替わります。
エクスポート先をクリックするとズラッと一覧が表示されます。
無料版ではファイル以外利用することができませんので、気にしなくてもいいです。
『ファイル』を選択してください。
ファイルを選択すると自動的にエクスポートが開始されます。
サイトの規模によりますが、僕の場合は10秒もかかりませんでした。
準備が完了すると以下の画面に切り替わります。
緑枠で囲まれている数字があなたのブログの容量です。
ここで一つ注意する点として、容量が512MB未満であることを確認してください。
万が一512MBを超えるブログだと有料プラグインを使わないといけなくなるので、ここで紹介している方法を無料で実行することができません。
とはいっても動画や画像を大量に使っていない限り、512MBを超えることはめったにないでしょう。
512MBを超えた場合
もしも512MBを超えた場合は以下の方法で対応できます。
- 有料プラグインを購入する
- 容量の大きい動画や画像をFTPソフトを使ってバックアップ
有料プラグインを購入すると、新サーバーで復元できる容量が無制限になります。
海外製のプラグインなので、69ドルです。
2018年12月現在の相場は1$=110円なので、大体7000円ぐらいします。
現在はキャンペーン中で50$で永久利用が出来るようです。
(大体5000円強)
これで旧サーバーでやることが全て終了しました。
念の為、サーバー移転が全て完了するまで、旧サーバーにあるデータはそのまま残しておきましょう。
新サーバーにデータを移転するために必要なこと
ここから先はお使いになっているワードプレスのデータを新サーバーに移転するための手順になります。
大まかに分けると以下の4つです。
新サーバーの移転手順
- サーバーにドメインを登録
- データベースを作成
- ワードプレスのインストール
- ワードプレスにログイン
- データをインポート(復元)
引越し先のマンション(レンタルサーバー)の一室に荷物を納入する作業(インポート)ですね。
表札(ドメインの登録)を掲げて、家具・家電(ファイルやデータベース)を部屋の中に入れる(インポート)です。
部屋に入れただけでは片付いていないので、今後使いやすいように(ワードプレスのインストール)整理整頓をしましょう。

これでも結構考えたほうなんだけどね。

当ブログのオススメサーバー
アフィリエイター御用達の超メジャーなレンタルサーバー。
読み込み速度が爆速で、ストレスがなく訪問者をまたせません。
サーバーのメンテナンスもわずか数分で完了するので、これから始めるのであれば検討しておくべきサーバーと言えます。
ドメインをサーバーに登録する
新サーバーで初めにやることはドメインを登録することです。
ということでサーバーにドメインを設定します。
注意ポイント
ここでは旧サーバーで利用しているドメインをそのまま使う方法を紹介しています。
今回はエックスサーバーを使って紹介していきますが、どのレンタルサーバーでも操作方法は一緒のハズなので参考にしてみてください。
まずはじめにエックスサーバーのサーバーパネルにログインします。
ログインするとサーバーパネルのホーム画面が表示されますので、ドメイン設定を選択してください。
ホーム画面にドメイン設定の項目があるので、ここで設定します。
http://とかは入力しなくていいです。
(このブログを例にすると『afi-note.com』と入力)
『無料独自SSLを利用する』と『高速化・アクセス数拡張機能「Xアクセラレータ」を有効にする』は、そのままチェックを入れといて問題ありません。
これでドメイン設定が完了しました。


データベースを作成
次に記事をインポートするためのデータベースを作成します。
先ほど登録したドメイン設定は画像やプラグインをおくためのスペースを作成するためのものですが、データベースは記事やコメントなどのテキストファイルを収納するための棚のようなものです。
その棚を作成するための手順を紹介します。
ここでやる作業は主に2種類です。
- MySQL追加
- MySQLユーザ追加
MySQLはデータベースと置き換えてもいいでしょう。
MySQL追加の方法
MySQLのデータベース名を入力します。
サーバーパネルの【データベース】カテゴリーの【MySQL設定】を選択してください。
MySQL追加タブを選ぶと以下のような画像が表示されます。
サーバー契約時に登録したサーバーIDの後に任意の名前を追加します。
なのでデータベース名は【サーバーID_任意の名前】です。
僕的にはサイト名を登録するのがオススメです。
複数のサイトを同じサーバーで運営すると、どのデータベースが対応しているのかわからなくなるんです。
作成したデータベースはサイト名を分かりやすくすることによって、データベース名を認識しやすくなります。
またサーバーを移転する際に認識しやすくなるので便利です。

文字コードはいじらずにUTF-8のままで問題ありません。
登録したデータベース名を忘れずにメモしておいてください。
後で使います。


MySQLユーザ追加
MySQLデータベースにログインするためのユーザーの追加を行います。
データベースのアクセス権を追加するための設定です。
家具・家電に自分の名前を書いておくようなものですね。
サーバーパネルの【データベース】カテゴリーの【MySQL設定】を選択してください。
『MySQLユーザ追加』タブに切り替えると以下のように表示されます。
ここにMySQLユーザIDとパスワードを新規登録します。
ここで入力した『MySQLユーザID』と『パスワード』を忘れずにメモしてください。
MySQLユーザにアクセス権を持たせる
ユーザを追加したら『MySQL一覧』タブに切り替えて、先ほど登録したMySQLデータベースにユーザアクセス権を持たせます。
先ほど登録したMySQLユーザがアクセス権未所有ユーザの欄にあるので追加をします。
追加をすると左側のアクセス権所有ユーザに含まれるようになります。
これでデータベースにアクセスすることが出来るようになりました。
ワードプレスをインストール
エックスサーバーではWord Press簡単インストールを使って手軽にインストールできる機能があるので、この方法を使います。
この方法を使えばPHPファイルをいじる必要がなく、初心者でも簡単に移転することができます。
Word Press簡単インストールの使い方はエックスサーバーのマニュアルをご覧ください。
一つだけ注意する点としてデータベースの項目は『作成済みのデータベース』を選択します。
『自動でデータベースを作成する』を選ぶと新しくデータベースが作成されて色々と不便なことがあるんです。
ここは先ほどメモしておいたものを使います。
- データベース名
- データベースユーザー名(カッコの部分は不要)
- データベース用パスワード
さきほどお伝えしたようにこの3つをメモしておけば問題ありません。
後はインストールを確定したらワードプレスの設置が完了です。
新サーバーのワードプレスにログイン
ワードプレスを設置したのはいいけれど、指定のドメインからアクセスしても旧サーバーのワードプレスにログインしてしまいます。
このままだといつまで経っても新サーバーのワードプレスにログインできません。
なのでhostsファイルを書き換えます。
hostsファイルでアクセス先を強制的に変更するファイルです。
とは言っても、影響を受けるのはhostsファイルを書き換えている自分だけで、第三者は影響を全く受けていないので、アクセスが激減すると言ったようなことはありません。

プログラムを書き換える作業が。

まずwindowsに内蔵されているメモ帳を右クリックして【その他】→【管理者として実行】の順で選択してください。
OSのバージョンによって若干変わっていますが、おおむねこのような感じになっています。
メモ帳が開いたら【ファイル】→【開く】を選択し、右下にあるテキスト文書をすべてのファイルに変更します。
次にCドライブ(OSが保存されているフォルダ)を開き【windows】→【System32】→【drivers】→【etc】→【hosts】の順に選択してください。
そうするとこのような文章が表示されていると思います。
この一番下にサーバーのIPアドレスとドメインを入力します。
IPアドレスはサーバー会社によって異なっているので、ここでは紹介しません。
エックスサーバーの場合サーバーパネルにログインし、アカウントカテゴリーのサーバー情報を選び、IPアドレスの項目に表示されています。
この数値をコピペしましょう。
IPアドレスは例えば000.111.222.333だった場合、次のように入力します。
000.111.222.333 afi-note.com
#は付けなくていいです。
IPアドレスとドメインはスペースで空けてください。
あとは上書き保存をして完了です。
念の為、メモ帳は閉じずにそのままにしておきましょう。
ワードプレスが開かない場合
hostファイルを変更してもワードプレスにログインできなかったり、ログイン画面に移行しない場合は次の事が考えられます。
- Cookieが邪魔をしている
- SSL化未対応
Cookieが邪魔をしている場合の対処法
エラー: Cookies がブロックされているか、お使いのブラウザーで未対応のようです。WordPress を使うには Cookie を有効化する必要があります。
このような表示がされた場合は、Cookieが邪魔をしています。
一度Cookieを削除してみましょう。
ただブラウザにログインしているIDやパスワードがリセットされるので、そういうのを避けたい場合はシークレットモードに切り替えれば対応可能です。
この接続ではプライバシーが保護されませんの対処法
『この接続ではプライバシーが保護されません』と表示された場合はURLアドレスにhttp://s://~と入力しているかもしれません。
新サーバーはまだSSL化していないので、sの部分を消してhttp://~にするとワードプレスのログイン画面に切り替わります。
プラグインを使ってデータをお引越し
データベースを作成し、ワードプレスをインストールしログインしたら次にデータをインポートします。
データの復元をする上限を30MBから512MBにまで引き上げてくれるプラグインです。
現段階では住まいと家財道具があるだけで、日用品はまだ無い状態です。
なので旧サーバーからエクスポートしたデータ(日用品)を持ってきます。
- All-in-One WP Migration
- All-in-One WP Migration File Extension
この2つのプラグインをインストールします。
All-in-One WP Migrationは最初に旧サーバーに保存されていたワードプレスのバックアップに使用したプラグインです。
All-in-One WP Migration File Extensionはバックアップしたファイルの上限を引き上げるための拡張プラグインです。
これ単体では機能しません。
実はAll-in-One WP Migrationを使ってデータをインポートするには制限があり、30MBまでしか復元出来ません。
立ち上げたばかりのサイトや画像をあまり使われていないブログならば問題ありませんが、ある程度育ってきてる場合には30MBだと全然足りません。
そこでAll-in-One WP Migration File Extensionのプラグインを使用することによってインポートができる上限を512MBまで引き上げてくれるようになります。
これだけあれば大抵の中規模サイトはインポートできます。
無料版の購入となっていますが、お金の支払は発生しません。
ここをクリックすると以下の画面に切り替わります。
『基本』と書かれている下のダウンロードをクリックしダウンロードしましょう。
あとは適当な保存先を指定して、このプラグインファイルをワードプレスにインストールして有効化すればいいだけです。
旧サーバーでバックアップしたファイルをワードプレスにインポート
左サイドメニューに項目が表示されますので、インポートを選んでください。
インポート元でファイルを選択し、最初にバックアップしたファイルを選択するだけで、あとは自動的に復元してくれます。
ポイント
All-in-One WP Migrationのプラグインはインポート(復元)できる容量に制限があり、無制限で利用するためには有料で販売しているライセンスキーを取得しなければなりません。
すでに大型化しているサイトや画像や動画を盛り沢山に使っていると無料でできない場合があります。
以上で新サーバーでやることは終了です。
補足
先ほどまで開きっぱなしにしているhostsファイルに入力した部分を消して上書きすると旧サーバーにアクセスしてしまいます。
旧サーバーで記事を作成しても、新サーバーには反映されないので、このまま消さずにそのままにしておいてもいいでしょう。
ドメインネームサーバー(DNS)を変更
最後にDNSを変更して終了です。
これをやらないと訪問者がいつまでも昔の住まいに向かってしまうので、住所変更をしなければなりません。
転居届を出すようなものですね。
ここでやることはドメイン会社にDNSの変更をするだけです。
僕はムームードメインを利用しているので、ムームードメインで手順を解説します。
ムームードメインにアクセスして、ドメイン管理カテゴリーの【ネームサーバ設定変更】を選び、対象ドメインを選択します。
『GMOペパボ以外 のネームサーバを使用する』を選び、ネームサーバー1~5に以下のネームサーバーを入力します。(新サーバーがエックスサーバーの場合)
エックスサーバーのネームサーバー
- ネームサーバー1: ns1.xserver.jp
- ネームサーバー2: ns2.xserver.jp
- ネームサーバー3: ns3.xserver.jp
- ネームサーバー4: ns4.xserver.jp
- ネームサーバー5: ns5.xserver.jp
入力が完了したら完了です。
これですべての作業が完了しました。
DNSはすぐに反映されるわけではなく、数日中に切り替わりますので、焦らずにお待ちください。
プラグインを使えば難しい操作は必要なし!
ここで紹介しているプラグインはサーバー移転をすべてやってくれる魔法のツールではありません。
データのバックアップと復元を自動で行ってくれる便利なツールです。
この作業を手動でやるだけでも、知識と経験がないと失敗する可能性が高いので、使ってみる価値は大いにあります。
あとはサーバーの設定やドメインまわりの変更はここで紹介したとおりにやれば迷うことなく進めていけます。
サーバー移転を諦めずにやってみてください。
思っているほど難しいものではありませんから。

